うがいには0.9%の食塩水が良い

患者さんにうがいを指導するときに、 イソジンなどのうがい薬を使わずに体液と同じ濃さである生理食塩水を使うのが基本である事を説明する。塩分の濃さは0.9%で、それは味噌汁とかお吸い物と同じぐらいだ、と言われたりする。本当かと思い、自宅で作る味噌汁と生理食塩水を比べてみると自分にちょうど良いと感じる味噌汁の塩分は生理食塩水の塩分よりかなり薄い。でも味噌汁やお吸い物などには塩味の感覚をマイルドに思わせる成分が入っていて、実際には0.9%なのかもしれない。主観的な感覚ではしかし0.9%の塩水というのは「ちょっとしょっぱい」と感じる程度だ。

どうやって指導しようかと考える。例えばグルタミン酸(旨味成分であり、創傷を治癒する)が汁物には入ってるわけだから、ちょっともったいないが、あまった味噌汁なりお吸い物でうがいをすればベストじゃん??とか思ったりもするし、おぼろ昆布(これには止血 創傷治癒成分のアルギン酸Naが入っている)を入れればもっと完璧な気がした。し

とはいえ、現実的ではなく邪道だ。患者さんには「ちょっと濃い目のお吸い物」的な濃さの塩水でうがいをせよ、と説明することにしている。塩はひとつまみがだいたい0.5gとされるので、100mlの白湯に2つまみの塩で1gだから1%、これでほぼOKと言ったりする。SEOを全くしていない、かつて多くのアクセスがあった鵜川医院ブログの生理食塩水の記事にはいまだにアクセスがあるが、これは500ccのペットボトルにキャップ半分の塩だ。

ところで自分がちょうど良く感じる塩分はどのくらいなんだろう、と思って0.8%、0.7%などと、汁類を作ってみたりした。昔の話だ。案外薄くて大丈夫、が結論。これは勝間和代さんが同じことをやっている。自分は合理主義だけど日本料理の手法にある「この出汁をくぐらせて云々」というようなおまじない的な操作も様式美として魅力を感じるし、専門書にしか書かれていないような手間暇の話を聞くのも好きです。

最近農水省のレシピでホワイトシチューを作ったけれど、これが水分400ccに対して2.5gの塩分(コンソメキューブ1個)というもので、ほとんど煮込まないので塩分は0.625%になるけれど、追加の塩を入れようという気にはならず、かなり吟味されたレシピ、さすが行政が関わるとこうなるか、という感想を持った。


レシピ:http://tabeyo-kokusan.jp/komeko-white-stew
勝間さん:http://katsumakazuyo.hatenablog.com/entry/2017/12/21/233829